- 砂礫浜海岸の減災・保全対策を検討するための新たな数値波動水路の提案と現地への適用
四方を海に囲まれている日本において,津波・高潮・高波などの沿岸災害から逃ることはできません.特に,日本では経済活動が沿岸域に集中していることから,沿岸防災対策は重要課題です.
一方,砂浜の侵食が進んでおり,貴重な国土が年々消失しています.波の減衰効果を持つ砂浜がなくなると,背後地の被災リスクが高まります.したがって,減災を図るためには保全が必要であり,沿岸域を保全することは減災につながります.
本研究では,減災・保全対策を講じる際に検討が必要不可欠な風と移動物体を考慮できる数値計算手法を開発し,数値波動水路CADMAS-SURF/3Dに導入することを目的としています.
さらに,砂礫浜の侵食により背後地が越波被害を受けている七里御浜海岸を対象に,地上レーザースキャナを用いた詳細な現地測量を行い,七里御浜海岸の変動と侵食対策の効果を評価するとともに,提案した数値計算手法により七里御浜海岸の減災・保全対策を提案することを目指しています.
- 風外力を考慮した護岸越波解析のための数値波動水路の提案
- 3次元数値波動水路CADMAS-SURF/3Dへの移動物体計算手法の導入
- 七里御浜海岸を対象とした現地観測
- 砂礫浜海岸の減災・保全対策を検討するための新たな数値波動水路の提案と現地への適用,若手研究(A),平成26年4月〜平成28年3月(予定)
- 沿岸域の減災・保全対策の検討に必要な数値計算手法の提案と現地への適用に関する研究,研究活動スタート支援,平成25年9月〜平成26年3月
- 高潮・高波時における護岸周辺の越波災害評価システムの開発,特別研究員奨励費,平成21年度〜平成22年度
- 博士論文
- 風外力を考慮したリーフ地形の波浪変形と護岸越波に関する研究
- 修士論文
- 沖縄本島北部海域を対象とした道路護岸の越波対策に関する研究
学術論文
- 菊 雅美,中村友昭,川崎浩司,水谷法美(2014):3次元数値波動水槽CADMAS-SURF/3Dへの移動物体計算手法の導入,土木学会論文集B3(海洋開発),Vol. 70,No. 1 pp. 33-43,2014年9月19日.
- ○ 菊 雅美,中村友昭,水谷法美,平川信也,芦澤 哲(2013):建築物に作用する津波力の低減対策に関する研究,土木学会論文集B3(海洋開発),Vol. 69,No. 2,pp. I_413-I_418.
- 川崎浩司,○ 菊 雅美(2012):不規則波越波計算による道路護岸周辺の越波対策工法の選定に関する研究,土木学会論文集B3(海洋開発),Vol. 68,No. 1,pp. 1-11.
- 川崎浩司,○ 菊 雅美(2011):風外力を考慮した護岸越波解析のための数値波動水路の提案,海洋開発論文集,Vol. 67,No. 2,pp. I_58-I_63.
- 川崎浩司・○ 菊 雅美(2010):不規則波動場を対象とした平面・断面2次元モデルの連結による越波解析の有用性,海洋開発論文集,第26巻,pp. 51-56.
- 川崎浩司・○ 菊 雅美・舟橋 徹(2009):直立護岸越波に及ぼすリーフ形状と波浪諸量の影響について,土木学会論文集B2(海岸工学), Vol. 65, No. 1,pp. 751-755.
- 川崎浩司・○ 菊 雅美・笹田泰雄・眞栄里和也・内間安治・嶋田 宏・五味久昭・三浦健悟・柴多哲郎(2008):海底地形と護岸形状が及ぼす規則波/不規則波動場での海岸護岸の越波特性,海岸工学論文集,第55巻,pp. 831-835.
- ○ 川崎浩司・菊 雅美・大久保陽介(2008):越波対策護岸の実務耐波設計を目指した平面・断面2次元モデルの有効活用の試み,海洋開発論文集,第24巻,pp. 1005-1010.
- 川崎浩司・○ 菊 雅美・笹田泰雄(2008):リーフ地形における直立護岸を対象とした数値波動水路による波浪・越波計算とその精度検証,海洋開発論文集,第24巻,pp. 945-950.
- 川崎浩司・○ 菊 雅美・眞栄里和也・米須俊彦・嶋田 宏・五味久昭・柴多哲郎・板橋直樹(2007):数値波動水路を用いた海岸護岸周辺の越波対策工法の検討,海岸工学論文集,第54巻,pp. 951-955.
- 川崎浩司・○ 菊 雅美・嶋田 宏・柴多哲郎・板橋直樹・馬淵幸雄(2007):現地リーフ地形における波浪変形と護岸周辺の越波に関する数値解析,海洋開発論文集,第23巻,pp. 201-206.
国際会議論文
- Kawasaki, K. and M. Kiku (2009): Numerical Examination on Countermeasure against Wave Overtopping Disaster around Road Revetment using Two-dimensional Numerical Wave Flume based on VOF Method, Proc., 6th Coastal Dynamics International Conference, No.20 (in CD-ROM), Tokyo, Japan, Sept., 2009.
- ○ Kawasaki, K., M. Kiku, Y. Sasada (2008): Numerical and Experimental Study on Wave Deformation and Overtopping around Vertical Seawall in Coral Reef Sea Area, Proc., of The Eighteenth (2008) International Offshore and Polar Engineering Conference (ISOPE-2008), pp. 698-705, Vancouver, Canada, Jul., 2008.
- Kawasaki, K., ○ M. Kiku, Y. Mabuchi and T. Niimi (2007): Numerical simulation of wave deformation and overtopping over natural reef using VOF method, Proc., Asian and Pacific Coasts 2007, pp. 300-311, Nanjing, China, Sept., 2007.
口頭発表
- ○ 菊 雅美,中村友昭,水谷法美(2014):風と波の同時作用下における漂流物の挙動に関する一考察,平成25年度土木学会中部支部,II-007,pp. 79-80,岐阜大学.
- ○ 菊 雅美・川崎 浩司(2011):風応力を考慮した直立護岸の越波計算に関する一考察,平成22年度土木学会中部支部研究発表会,II-12,pp. 103-104,中部大学.
- ○ 大久保陽介・稲井 康・菊 雅美・川崎浩司・青木亮介(2010):津波時における混成堤マウンド被覆材の周辺流動場と所要重量に関する一検討,第65回年次学術講演会,II-090,pp. 179-180,北海道大学.
- ○ 菊 雅美・川崎浩司(2010):気象モデルWRFを用いた台風0423号の再現計算に関する一考察,平成21年度土木学会中部支部研究発表会,II-043,pp. 201-202,金沢工業大学.
- ○ 舟橋 徹・川崎浩司・菊 雅美(2009):直立護岸周辺の波浪・越波特性に及ぼすリーフ長の影響に関する実験的考察,平成20年度土木学会中部支部研究発表会,II-047,pp. 183-184,名城大学.
- ○ 菊 雅美・川崎浩司・笹田泰雄(2009):リーフ地形を対象とした直立護岸の不規則波越波計算に関する一考察,平成20年度土木学会中部支部研究発表会,II-040,pp. 169-170,名城大学.
- 川崎浩司・○ 笹田泰雄・菊 雅美(2008):リーフ地形上および直立護岸の越波特性に関する実験的一考察,平成19年度土木学会中部支部研究発表会,II-027,pp. 171-172,金沢大学.
- 川崎浩司・○ 菊 雅美・笹田泰雄(2008):リーフ地形での波浪伝播と直立護岸への越波に対する数値波動水路の適用性,平成19年度土木学会中部支部研究発表会,II-028,pp. 173-174,金沢大学.
- 嶋田 宏・○ 柴多哲郎・板橋直樹・川崎浩司・菊 雅美(2007):数値波動水路を利用した越波量評価に関する一考察,土木学会第62回年次学術講演会,2-257,pp. 513-514,広島大学.
- 川崎浩司・○ 菊 雅美・嶋田 宏・柴多哲郎・板橋直樹(2007):数値波動水路CADMAS-SURFを用いたリーフ上を伝播する波の越波シミュレーション,平成18年度土木学会中部支部研究発表会,II-045,pp. 187-188,名古屋工業大学.
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