研究内容

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研究内容

本研究室では,大規模な水理模型実験施設・独自の数値計算モデル・最新の計測機器による現地観測の多方面から,安心・安全な沿岸域の創造とその活用に向けた研究を行っています.

2015年度,本研究室で取り組んだ研究内容の例をご紹介します.

 沿岸域の減災

陸上構造物に作用する津波力

  • 津波から人命を守るため,津波避難施設への期待が高まっています.津波避難施設の安全性を高めるため,陸上構造物の配置や窓などの開口部による津波力の減衰効果について,水理模型実験や数値計算から検討を行っています.

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  • 灰色で示す沿岸構造物の配置が赤色で示された背後構造物へ与える影響について検討しています.

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  • 窓や間取りを考慮し,現実的な建物への津波の作用力について検討しています.従来の単にマッシブな不透過直方体で近似する場合に比べて,津波による流体力をより精緻に評価できます.


津波による構造物周辺の洗掘現象

  • 東北地方太平洋沖地震津波では,構造物周辺の洗掘によって沿岸防災施設が大きな被害を受けました.津波による構造物周辺の洗掘現象を解明するため,水理模型実験と数値計算を行っています.

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  • 他には類を見ない波と地盤の相互作用を計算可能な数値モデルを用いて計算を行っています.
  • 赤い場所ほど液状化しやすいことを意味しており,津波の作用によって構造物周辺は洗掘されやすいことを示唆しています.


津波による橋桁の漂流特性

  • 東北地方太平洋沖地震津波では,多くの橋桁が流出し,復旧作業に大きな影響を及ぼしました.津波による橋桁の流出メカニズムの解明に向けて,桁に作用する津波力や流出限界について検討することを目的とし,水理模型実験や数値計算を行っています.

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  • 水理模型実験によって撮影された桁への津波の作用状況です.

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  • 波と物体の相互作用を計算可能な数値モデルによって,橋桁の流出メカニズムを検討しています.

津波によるコンテナの漂流挙動特性

  • 港湾にあるコンテナが津波によって流出すると,2次災害の拡大や復旧の妨げにつながります.津波によるコンテナの漂流挙動について,水理模型実験と数値計算の両面から検討を行っています.

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  • 波と物体の相互作用を計算可能な数値モデルを用い,津波によるコンテナの漂流挙動やコンテナが胸壁に与える衝突力を算定しています.


 沿岸域の保全

礫浜の地形変化

  • 三重県の七里御浜海岸は侵食が激しく,美しい礫浜が年々失われています.有効な侵食対策を提案するため,ドローンを用いた現地観測を定期的に行うとともに,ネットワークカメラによって毎日汀線変動を観測しています.

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  • ドローンによる七里御浜海岸の観測結果です.ドローンを用いた観測により,従来の地上レーザースキャナ観測と比較してより短時間で広範囲なデータを計測することが可能となりました.


鋼管矢板式岸壁の土砂の吸い出し現象

  • 港湾施設の老朽化が進んでおり,維持管理も重要な課題の1つとなっています.腐食孔を持つ岸壁から背後の土砂が沖側に流出する吸い出し現象に関して,そのメカニズムを明らかにすることを目的とし,波動場と地盤の観点から数値解析及び水理実験による検討を行っています.

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  • 背後地盤の体積ひずみ分布です.

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  • 腐食孔内部の流速分布です.

  • 背後地盤が陥没した実験例


上部斜面堤ケーソンの動揺特性

  • 建設現場では,経験豊かな現場作業者の減少や建設費の縮減などが問題となっています.その中で,防波堤ケーソンを安全・効率的に設置するための技術開発が求められています.

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  • 上部斜面堤と呼ばれる複雑な断面形状のケーソンを対象に,波に対するケーソンの動揺機構や係留索張力の発生機構を検討しています.


 新エネルギーへの挑戦

波力発電装置の開発

  • 海に囲まれた日本において,波エネルギーは無限の可能性を秘めています.波エネルギーを有効活用するため,波の動きを利用した発電装置の開発を目指しています.