2010年のチリ地震津波や2011年の東北地方太平洋沖地震に伴う津波では,港湾に置かれているコンテナや係留されていた船が津波によって流出した.このような漂流物が生じると,津波による直接の被害である一次災害だけでなく,漂流物の衝突による二次災害が発生する危険性がある.そこで,漂流物の挙動特性や,漂流物が構造物に作用する衝突力について研究を行っている.
コンクリート柱に対する40ftコンテナの衝突シミュレーション
三重県南端部に位置する七里御浜海岸は,延長約20kmにおよぶ礫浜海岸であるが,現在,海岸侵食に直面している.中でも南部の井田海岸の海岸侵食は深刻な状態にある.当研究室では,1999年秋から定期的に汀線形状をGPSによって計測し,汀線変化の実態をあきらかにするとともに,その機構と侵食対策について研究している.
侵食の激しい七里御浜
近年,化石燃料に変わる新しいエネルギー,特に再生可能なエネルギーの需要が増大している.本研究では,波浪エネルギーに着目し,景観面に配慮されており,かつ消波機能が優れている浮遊式防波堤に,その動きを利用した波浪発電機能を取り入れることを目指している.
浮体構造物を用いたエネルギー回収システム
上部に波返し工を付けたプレキャスト護岸を外洋に面する海岸において実用化することを目指し,護岸表面の形状を変化させたときの護岸への打上高や波圧,波力などの水理特性,表面粗度の効果について実験的に検討している.
実験模型の概要